電気圧力鍋は何気圧?70kPaと1.7気圧の読み方

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電気圧力鍋の「70kPa」と「1.7気圧」は、数字の大きさだけでは比べられません。パナソニック NF-PC400では、どちらも同じ機種の圧力を表しています。大切なのは、圧力の基準を読み分けたうえで、70kPa帯から選ぶのか、100kPaに対応する機種まで求めるのかを決めることです。最高値が同じ製品でも、作れる量や圧力の抜き方には違いがあります。

ガスコンロで湯気を上げるオレンジの取っ手の片手鍋

結論:70kPa帯が中心、最高約2気圧は型番で選ぶ

70kPaゲージ圧と1.7気圧は、NF-PC400の公式表記では同じ状態です。 最高約2気圧を示すのはパナソニック NF-AC1000。ティファール CY9221JPも高圧100kPaに対応します。

圧力で候補を分けたら、次は調理容量・排気方法・かきまぜ機能で絞ります。70kPaの機種が多いため、メーカー名だけでは差をつけにくい項目です。

圧力の条件が効く理由:kPaと気圧は基準が違う

ゲージ圧は、周囲の大気圧からの差を表す

ゲージ圧とは、大気圧をゼロの基準に置いた圧力差です。 一方、パナソニックの比較表にある気圧表示は、大気圧を1とする表し方です。基準点が違うので、70という数字と1.7という数字を、そのまま大小比較することはできません。

NF-PC400は、仕様ページで「70kPaゲージ圧(約115℃)」、比較表で「1.7気圧」と示されています。別の性能を説明しているのではなく、同じ機種を異なる書き方で説明したものです。「kPa表記だから高圧」「気圧表記だから弱い」という分け方は成り立ちません。

NF-AC1000も同様で、仕様ページは100kPaゲージ圧、比較表は最高約2気圧です。この対応を押さえると、NF-PC400とNF-AC1000を、同じメーカーが公表する圧力条件で読み比べられます。数値のそばにある「ゲージ圧」「最高」「約」まで含めて一つの仕様です。

出典:NF-PC400 仕様ページNF-AC1000 仕様ページパナソニック 自動調理鍋・電気圧力鍋比較表(いずれも2026年8月9日確認)。

明るい窓を背にしたステンレス鍋のふた

比べる条件は70kPa帯と100kPa対応に分ける

購入候補を整理する線引きは、公式の圧力欄が70kPaの製品と、100kPaを使う設定を持つ製品です。これは製品を探すための区分であり、料理の出来栄えを格付けする区分ではありません。低圧や中圧も使える機種を、最高値だけの機械として扱わないことも重要です。

また、各社の項目名は統一されていません。アイリスオーヤマには「最高圧力」と「圧力調整装置作動圧力」があり、ティファールは「圧力値」、パナソニックの仕様は「ゲージ圧」です。以下の表ではメーカーごとに分け、元の項目名を残します。他社の70kPaに一律で1.7気圧という換算欄を足すことはしません。

圧力を表すkPaと、消費電力を表すWも別の数字です。ラクラ・クッカー ミニは600W、NF-AC1000は1290Wですが、Wの数字を気圧の代わりには使えません。電力側の単位や計算を整理したい人には、消費電力から電気代を計算する考え方が別の判断材料になります。

出典:ラクラ・クッカー ミニ 仕様・比較表NF-AC1000 仕様ページ(いずれも2026年8月9日確認)。

条件を満たす製品を同じ物差しで並べる

比較の基準日は2026年8月9日です。メーカー公式の仕様・比較表と、アイリスオーヤマ公式通販の情報を使い、圧力表記の違いが分かる現行機を並べます。調理結果の実測比較ではありません。表は圧力と、その次に候補を分ける項目に絞っています。

アイリスオーヤマ:70kPaのまま調理容量が変わる

製品圧力の数値と公式項目名調理容量
アイリスオーヤマ PC-MA270kPa(最高圧力)約1.4L
アイリスオーヤマ PC-MB370kPa(最高圧力)2.0L
アイリスオーヤマ KPC-MA470kPa(最高圧力)2.6L
アイリスオーヤマ KPC-REMA370kPa(圧力調整装置作動圧力)2.0L

出典:PC-MA2 アイリスプラザPC-MB3 アイリスプラザKPC-MA4 アイリスプラザKPC-REMA3 アイリスプラザ(いずれも2026年8月9日確認)。

PC-MA2とKPC-MA4は、最高圧力が同じ70kPaでも調理容量は約1.4Lと2.6Lです。多めに作りたいときの分岐は、ここでは気圧ではなく容量です。反対に、少量を作る候補を探す段階で、70kPaという共通値を理由にPC-MA2を除く必要はありません。

PC-MB3とKPC-REMA3は、圧力の数値が70kPa、調理容量が2.0Lという点が共通します。違うのは、自動メニューがPC-MB3で6種類、KPC-REMA3で15種類という点です。KPC-MA4は80種類ありますが、これも圧力が高くなる意味ではありません。容量や自動メニューの選択肢と、圧力値を別々に判断できます。

KPC-REMA3の項目名は、ほかの3機種と異なります。数値が一致していることと、メーカーが同じ名称で公表していることは別です。表の見出しを一律に「最高圧力」とすると、この違いが消えるため、数値に項目名を添えています。

箸で持ち上げた鶏肉と大根、人参の煮物

ティファール:70kPa同士でも排気方法が違う

製品公式の圧力値圧力排出方法
ティファール CY3401JP(ラクラ・クッカー ミニ)70kPaマニュアル
ティファール CY3811J0(ラクラ・クッカー プロ)70kPaワンプッシュセミオート
ティファール CY9221JP(クックフォーミー タッチ)高圧100kPa/中圧70kPa/低圧40kPa自動排気

出典:ラクラ・クッカー ミニ 仕様・比較表ラクラ・クッカー プロ 仕様・比較表クックフォーミー タッチ 仕様・比較表(いずれも2026年8月9日確認)。

70kPaで探しても、ミニとプロでは圧力を抜く方式が変わります。プロはかきまぜ機能を備え、内なべはセラミックコーティングで食洗機に対応します。ミニの内なべはフッ素樹脂コーティングで、食洗機には非対応です。圧力が同じだから、扱い方や後片付けも同じという関係にはなりません。

高圧100kPaを条件にするなら、表の中ではCY9221JPが該当します。中圧70kPaと低圧40kPaも持つため、「100kPaの機種」という短い紹介だけでは設定の幅が抜け落ちます。自動排気を求めるという条件も、最高圧力とは分けて残せます。

ティファール全体を「70kPaのメーカー」「食洗機を使えるメーカー」とひとまとめにはできません。同じブランドの中で圧力設定も内なべの扱いも分かれています。製品名が似ていても、購入候補はCY3401JP、CY3811J0、CY9221JPのように型番まで区別するのが出発点です。

大根おろしを添えた魚と芋の煮物

パナソニック:同じ製品のkPa表示と気圧表示を対応させる

製品仕様ページの圧力公式比較表の気圧表示調理容量
パナソニック NF-PC40070kPaゲージ圧(約115℃)1.7気圧2.6L
パナソニック NF-AC1000100kPaゲージ圧最高約2気圧(高圧・中圧・低圧)2.4L

出典:NF-PC400 仕様ページNF-AC1000 仕様ページパナソニック 自動調理鍋・電気圧力鍋比較表(いずれも2026年8月9日確認)。

この2機種なら、70kPaゲージ圧と100kPaゲージ圧を同じ基準で比較できます。NF-AC1000はかきまぜ機能も持つため、高い圧力の設定とかきまぜを一緒に求める人の候補です。NF-PC400を選ぶ理由は、1.7という数字が小さいことではなく、必要な調理容量やメニューとの一致に置けます。

なお、調理容量はNF-PC400が2.6L、NF-AC1000が2.4Lです。満水容量はそれぞれ3.9Lと4.2Lなので、製品の大きな容量表示だけを読むと関係を取り違えます。「圧力が高いほうは、作れる量も多い」という選び方では、この違いを拾えません。

数値の読み方でつまずきやすい点

最高圧力は、完成までの時間を示さない

100kPaと70kPaの差から、夕食が完成するまでの時間差を計算することはできません。まず分けるべきなのは、圧力をかける工程の時間と、調理全体の時間です。圧力の仕様を比べる表と、完成時刻を考える表は役割が異なります。

アイリスオーヤマ KPC-MA4の手動圧力調理で設定するのは加圧時間です。その前に予熱、後に減圧の工程があります。設定画面の時間だけを見て、調理開始からふたを開けるまでの長さだと受け取ると、待ち時間の捉え方がずれます。予熱・加圧・減圧を一続きの工程として扱うのが読み方です。

また、調理中にふたを開ける手順は、調理を止めてから圧力表示ピンの下降を待つ流れです。高い圧力を選べることと、すぐにふたを開けられることは別です。排気が手動か自動かという仕様も、加圧の最高値からは判別できません。

出典:KPC-MA4 取扱説明書(2026年8月9日確認)。

温度の注記は、その型番に結び付ける

NF-PC400の70kPaゲージ圧には約115℃という注記があります。この温度はNF-PC400の公式仕様として扱い、ほかの製品の温度欄へコピーしません。ほかの70kPa機と並べる際も、メーカーがどの項目を公表したかを保ったまま比較します。

同じく、NF-AC1000の「最高約2気圧」から、調理中ずっと同じ気圧だと読むことはできません。公式比較表では高圧・中圧・低圧が区別されています。CY9221JPも100・70・40kPaの設定を持ちます。最高値は候補を探す目印になっても、各調理の圧力を一つの数字で置き換えるものではありません。

蒸籠のふたを開けると湯気が上がる蒸し料理

容量と人数は、圧力とは別の条件で読む

70kPaの機種が残ったら、作る量は調理容量で絞れます。ところが、そのL数を人数へ一律に換算することはできません。アイリスオーヤマの4.0L機は調理容量2.6Lで、特設サイトの人数目安は「〜4人前」。同じ調理容量2.6LのNF-PC400は「最大6人分」と案内されています。

アイリスオーヤマの中でも、特設サイトの3.0L機は「〜3人前」、PC-MB3の商品ページは「最大4人分」という案内です。これらはメーカーの人数目安として読み、共通の換算式にはしません。同じ圧力・同じ調理容量だから同じ人数向け、と決めつけないことがポイントです。

出典:アイリスオーヤマ 電気圧力鍋特設サイトPC-MB3 アイリスプラザNF-PC400 製品ページ(いずれも2026年8月9日確認)。

人数の大きい案内を出すメーカーが、圧力でも上という関係ではありません。量を優先するなら調理容量、圧力を優先するなら単位と設定範囲を別々に読むことで、別の物差しの数字に引っ張られずに候補を残せます。

メニュー数の多さを圧力性能に置き換えない

KPC-MA4の80種類は本体の自動メニュー数です。ラクラ・クッカー プロの13種類は調理モード、クックフォーミー タッチの270レシピは内蔵レシピ数です。80、13、270を同じ「メニュー数」の列へ押し込むと、別の種類の数字を比較することになります。

自動メニューは本体で選ぶ調理プログラム、調理モードは調理方式、レシピ数は料理の案内の数として分けます。圧力を条件に残した候補から選ぶ段階でも、数の多さだけを圧力調理の強さに読み替えないことが大切です。NF-PC400の自動20メニューと、プロの13モードも別枠で読む数字です。

高圧でも、材料や投入量の制限は残る

KPC-MA4の取扱説明書は、圧力調理を避ける対象に次を挙げています。

カレー・シチューなど、とろみや粘りがあるもの

出典:KPC-MA4 取扱説明書(2026年8月9日確認)。

これは、とろみのある状態のまま手動で加圧する扱いの制限です。カレーを作れないという意味ではなく、自動メニューで作る手順とは分けます。多くの油を使う料理や、重曹などで泡が生じるものも禁止対象です。蒸気の通り道が詰まることや、蒸気の噴出に伴うけが・やけどが理由として示されています。

材料の量にも指定があり、豆類・麺類・パン生地のように調理で増えるものは専用の上限目盛に従います。圧力の高低を問う前に、料理の手順と投入量の制約があるわけです。別の機種に切り替えるときも、その機種の取扱説明書にある手順を使い、圧力値から自己流の加圧方法を作らないことが重要です。

条件から外れる人はどうするか

圧力より後片付けや予約を優先したい人

内なべを食洗機で洗いたいなら、70kPaのラクラ・クッカー プロが候補になります。同じ70kPaのミニは内なべの食洗機利用に非対応です。予約についても、プロは加圧調理に限って対応し、ミニは非対応。圧力が同じでも、洗い方や運転の組み立て方に違いがあります。

圧力を高くすることでは、手入れは省けません。KPC-MA4では、使用後に内なべやふた、取り外したパッキンなどを洗い、乾燥後にパッキンを戻す流れです。本体は水洗いせず、絞ったふきんで拭く指定です。匂いが気になる人は、気圧とは別の論点として電気圧力鍋の匂いを扱う記事へ進めます。

出典:ラクラ・クッカー ミニ 仕様・比較表KPC-MA4 取扱説明書(いずれも2026年8月9日確認)。

圧力を使う調理方式そのものを決めていない人

圧力調理が必要かをまだ決めていない段階では、100kPa対応だけに候補を絞る必要はありません。方式の違いから考えるなら、電気圧力鍋とスロークッカーの違いで比較の軸を分けられます。電気式にするかも含めて考える人には、電気圧力鍋と圧力鍋の違いを整理する記事が入口です。

象印の現行掲載機EL-NS23と、シャープのヘルシオ ホットクックは、圧力調理の機種ではありません。両社を加えた5社の気圧比較にするのではなく、圧力をかけない自動調理鍋という別の選択肢に置きます。電気で調理する鍋という共通点だけで、気圧の低い機種として並べるのは不適切です。

出典:象印 EL-NS23シャープ ヘルシオ ホットクック(いずれも2026年8月9日確認)。

よくある質問

70kPaと1.7気圧は違う性能ですか? NF-PC400では同じ状態を指します。70kPaゲージ圧は大気圧からの差、比較表の1.7気圧は大気圧を1とする表示です。数字の桁だけでは性能差を読めません。

最高約2気圧の電気圧力鍋はどれですか? パナソニック NF-AC1000が、公式比較表で最高約2気圧と示されています。仕様ページは100kPaゲージ圧です。ティファール CY9221JPは高圧100kPaですが、表記をそのまま区別して扱います。

100kPaなら70kPaより早く料理が完成しますか? 圧力値だけから完成までの時間差は出せません。KPC-MA4の手動設定は加圧時間で、予熱と減圧は別工程です。比較するのは設定時間だけでなく、調理全体の流れです。

同じ70kPaなら、どの機種を選んでも同じですか? 調理容量や排気方式が違います。PC-MA2の調理容量は約1.4L、KPC-MA4は2.6Lです。ティファールのミニとプロも70kPaですが、排気方法とかきまぜ機能、内なべの食洗機対応が分かれます。

高圧の機種なら、とろみのあるカレーをそのまま加圧できますか? 圧力の数値を根拠に、その扱いを選ぶことはできません。KPC-MA4の取説は、とろみや粘りのあるものを圧力調理の禁止対象に挙げています。自動メニューでカレーを作るときは、機種ごとの指定手順を使います。

湯気の立つ煮込み料理の器を両手で持つ様子

まとめ

電気圧力鍋は何気圧かという疑問は、まず圧力の基準をそろえると整理できます。NF-PC400の70kPaゲージ圧と1.7気圧は同じ状態。NF-AC1000は100kPaゲージ圧・最高約2気圧で、CY9221JPは高圧100kPaに対応します。

圧力は候補を分ける条件の一つです。高い数値で一度絞った後も、必要な量を作れるか、排気や後片付けをどう行うかまで合わせると、自分の使い方に沿って選べます。