モニターアームの選び方|確認する違いは6点

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モニターアームは、対応インチや耐荷重だけを見て選ぶと、モニターには合っても机に付かない、軽すぎて位置を保ちにくい、付属ボルトが合わないといった行き違いが起こります。同じクランプ式でも、対応する天板の厚さや、取り付けに必要な奥行・幅は機種ごとに違います。

この記事では、2026年8月24日に確認したメーカー公式情報をもとに、モニターアームの選び方を6点に整理します。現行機の仕様は順位を付けず、どの条件に合うかを見るための例として扱います。

結論:モニターアームの違いは6点だけ

確認する違いは、固定方式、可動方式、VESA、耐荷重の上下限、天板条件、取り付ける画面数の6点です。選ぶ順番は、モニター側のVESAと重量を確認し、次に机へ固定できるかを測り、その後で動かし方や画面数を決めると整理しやすくなります。

モニターアームとは、ディスプレイを机、壁、支柱などへ固定し、高さや向きを調整する器具です。製品名に同じ「モニターアーム」とあっても、机を挟むもの、天板の穴を使うもの、壁やポールへ付けるものでは設置条件が異なります。

窓際の明るいオフィスに並んだデスクとモニター、タスクランプ

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確認する点主な選択肢選ぶときの基準
固定方式クランプ、スリムクランプ、グロメット、ネジ固定、ポール固定、壁面、スタンド天板を挟むか、加工できるか、支柱や壁を使うか
可動方式ガススプリング、メカニカルスプリング、方式表示のない固定・水平型高さを動かす頻度と、必要な可動方向
VESA75×75mm、100×100mmなどモニターとアームの穴間隔、ボルト、取り付け面の形状が合うか
耐荷重下限と上限の範囲、上限のみ、2画面の合計値スタンドを外したモニター重量が範囲内か。曲面は別条件がないか
天板条件厚さ、奥行、幅、穴径、縁からの距離クランプが十分に掛かり、補強材や幕板と干渉しないか
画面数1画面、2画面、支柱への追加など1台ごとの重量か合計重量か、横幅とアームの可動域が足りるか

出典:サンワサプライ「モニターアーム 製品一覧」サンワサプライ「モニタアームの選び方」エルゴトロン「VESA規格について」(いずれも2026年8月24日確認)。

1. 固定方式は机を加工できるかで分ける

サンワサプライは固定方式を次の7種類に分けています。

固定方式定義と使い分け
クランプ天板を外側から挟む。穴を開けずに固定する
スリムクランプ天板を挟む点は同じだが、調節ネジが支柱側にあり、天板下へ出っ張りにくい
グロメット天板の穴へボルトを通し、天板を挟む
ネジ固定式天板へ直接ネジで固定する
ポール固定机や設備の支柱・ポールへ取り付ける
壁面取り付け壁へ直接固定する
スタンド机へ固定せず、そのまま置いて設置する

出典:サンワサプライ「モニターアーム 製品一覧」サンワサプライ「モニタアームの選び方」(いずれも2026年8月24日確認)。

穴を開けたくないならクランプ、対応する穴を使うならグロメットが候補です。両者の天板条件はクランプ式とグロメット式を比べる記事で整理しています。壁面型は、壁の強度を判断できなければ専門業者へ相談します。

青い光に照らされたデスクで並ぶ2台のモニター

2. ガス式とメカニカル式は支える仕組みが違う

ガススプリング式はガス圧を使って軽い力で動かし、メカニカルスプリング式は金属製のバネで支えます。サンワサプライ CR-LA1301BKN2とエレコム DPA-SL08BKはガス式、サンワサプライ CR-LA1901とグリーンハウス GH-AMDV1-BKはメカニカル式です。

高さや前後位置を頻繁に変えるなら可動の軽さ、高さを固定して使うなら机への収まりや必要な方向への可動域を見ます。どちらも取り付け後に保持力を合わせる機種があり、メーカー各社は、モニターが上がる、下がる、上を向く場合に付属レンチなどで調整するよう案内しています。

3. VESAは穴間隔だけで終わらない

VESA公式が無料公開する「FDMI Overview」は、Part A〜Fを画面サイズと重量で区分した文書です。Part Aは将来の規格用に空けられ、Part B〜Fは次の範囲を示します。ただし、この無料文書に75×75mm、100×100mm、M4という数値は載っていません。

区分画面サイズ重量上限ホールパターン・ネジ
MIS-B4〜7.9インチ2kg50×20mm/M4×6mm
MIS-C8〜11.9インチ4.5kg75×35mm/M4×8mm
MIS-D12〜22.9インチ14kg75×75mmまたは100×100mm/M4×10mm
MIS-E23〜30.9インチ22.7kg(50 lbs.)200×100mm/M4×10mm
MIS-F31〜90インチ113.6kg200mm間隔/M6×8・10mmまたはM8×15mm

出典:VESA「FDMI Overview」エルゴトロン「VESA規格について」(いずれも2026年8月24日確認)。画面サイズと重量はVESA公式、ホールパターンとネジはエルゴトロン公式解説に基づきます。

実際の付属ボルトはアームごとに違います。サンワサプライ CR-LA1301BKN2はM4×14、CR-LA1901はM4×12とM5×12、アーキサイト AS-MABS01はM4×12、M4×16、M5×12、M5×16を付属します。背面の凹凸やVESA穴の偏りも確認します。

VESA穴がなければ対応アダプターを使える場合があります。サンワサプライ CR-LAVESADP1は32型まで、耐荷重10kgまでです。15.6インチ軽量4機種のVESA対応比較にあるように、穴間隔、ボルト、アームの耐荷重を一緒に照合します。

壁掛けの棚とデスクが写る、撮影機材を並べたワークスペース

4. 耐荷重は上限だけでなく下限を見る

モニターアームの耐荷重は、「何kgまで載せられるか」だけではありません。スプリングで支える機種には下限が設定されている例が多く、軽すぎるモニターも対応範囲外になります。

サンワサプライ CR-LA1301BKN2は2〜10kg、CR-LA1901は2〜9kg、エレコム DPA-SS08BKは約2〜9kg、グリーンハウス GH-AMDV1-BKは2〜10kgです。GH-AMDV1-BKは2kg未満の液晶モニターを使用できないと明記しています。

一方、高耐荷重機は下限も高い場合があります。サンワサプライ CR-LA1304Wは8〜20kgで、軽量モニター向けの機種ではありません。「20kg対応」という上限だけを見ず、モニターのスタンドを外した重量が8kg以上あるかも確認します。耐荷重の表記差と10kg前後の機種は、モニターアームの耐荷重10kgを上下限から比べる記事で詳しく整理しています。

曲面モニターでは、通常とは別の目安が示されることがあります。サンワサプライ CR-LA1301BKN2は通常2〜10kgに対して曲面では約7kg、CR-LA1901は通常2〜9kgに対して約6kg、CR-LA1304Wは通常8〜20kgに対して約14kgです。曲面は重量だけでなく、取り付け面が平らかも合わせて見ます。

対応インチは候補を絞る目安です。サンワサプライは、表記するインチ数を一般的なモニターサイズの目安とし、取り付けではディスプレイ重量と耐荷重を基準に選ぶよう案内しています。インチが範囲内でも、重量、VESA、周囲との干渉が合わなければ取り付け条件を満たしません。

5. 天板は厚さだけでなく奥行と幅も測る

クランプ式の仕様には天板厚が大きく書かれますが、クランプが掛かる平らな面積も必要です。天板の裏に幕板、補強フレーム、引き出しがある机では、厚さが範囲内でも金具が入らない場合があります。

たとえばグリーンハウス GH-AMDV1-BKは、クランプで厚さ10〜80mmに加え、奥行100mm以上、幅96mm以上の取り付け面を求めています。GH-AMDT1-BKは厚さ10〜80mm、奥行108mm以上、幅92mm以上です。アーキサイト AS-MABS01はクランプで厚さ20〜80mm、取り付けに幅105mm、奥行110mmのスペースが必要です。薄い天板では、他社機が付いてもAS-MABS01は条件外になることがあります。

グロメット式も穴径だけでなく、通せる天板厚が決まっています。GH-AMDV1-BKは厚さ10〜40mm、直径10〜60mmの穴に対応します。AS-MABS01は厚さ20〜40mmです。同じ製品でも、クランプでは80mmまで、グロメットでは40mmまでというように上限が変わります。

クランプ部分の歪みやたわみが気になる机には、接地面積を広げる補強プレートを使う考え方があります。サンワサプライ CR-LAPLT1BKは、歪みやたわみ、傷、滑り、前のめりや左右の傾きを軽減する部品です。ただし、説明書が求める天板条件を満たすことが先です。

取り付け後に起こりやすい制約は、モニターアームのデメリットをメーカーの注意書きから整理した記事で、天板、保持力調整、増し締めに分けて確認できます。購入前にレビューを見るなら、低評価を配送・個体差・用途違い・仕様へ分ける読み方を使うと、天板・VESA・耐荷重の不一致による用途違いを見分けやすくなります。

L字型のデスクに沿って配置された2台のモニターと小物

6. 2画面モデルは1台あたりか合計かを確認する

2画面用では、耐荷重が1台ごとか2台の合計かを読み分けます。アーキサイト AS-MABH03は8kgまでの2台合計で、片側8kgずつではありません。画面数が増えると机上の横幅、アーム同士の干渉、回転後の角と壁の距離も必要です。後から追加できると見込まず、1画面用と2画面用を分けて検討します。

現行機で条件の違いを見る

次の表は、方式の優劣ではなく、選択条件が製品ごとにどれだけ違うかを見るための例です。耐荷重は公式の表記に合わせ、下限が示されている機種は範囲で記載しています。

メーカー・型番固定方式可動方式耐荷重対応サイズ主な天板条件
サンワサプライ CR-LA1301BKN2スリムクランプ/グロメットガススプリング2〜10kg17〜34インチクランプ10〜50mm
サンワサプライ CR-LA1901クランプ/グロメットメカニカルスプリング2〜9kg最大32インチクランプ10〜80mm/グロメット10〜40mm
サンワサプライ CR-LA1304Wスリムクランプ/グロメットガススプリング8〜20kg32〜49インチクランプ・グロメット10〜50mm
エレコム DPA-SL08BKクランプ/グロメットガススプリング約2〜約20kg17〜49インチクランプ・グロメット12〜50mm
グリーンハウス GH-AMDV1-BKCクランプ/グロメットメカニカルスプリング2〜10kg17〜32インチクランプ10〜80mm/グロメット10〜40mm
アーキサイト AS-MABS01クランプ/グロメットガススプリング2〜8kg最大32インチクランプ20〜80mm/グロメット20〜40mm

出典:サンワサプライ CR-LA1301BKN2サンワサプライ CR-LA1901サンワサプライ CR-LA1304Wエレコム DPA-SL08BKグリーンハウス GH-AMDV1-BKアーキサイト AS-MABS01(いずれも2026年8月24日確認)。

表から分かるのは、「32インチ対応」「耐荷重10kg」といった一つの数字では候補を決められないことです。たとえば同じ17〜32インチ帯でも、クランプ天板厚の下限は10mm、12mm、20mmと分かれます。高耐荷重機でも、下限が8kgなら軽いモニターには合いません。

縦画面と横画面のモニターが並んだ、暗めの部屋のデスク環境

それぞれが向いている場面

選ぶときに見る順番

  1. モニターのVESA穴を確認する
    背面の穴間隔、取り付け面の凹凸、穴の位置を見ます。VESA穴がない場合は、メーカーが対応アダプターを用意しているか確認します。

  2. スタンドを外したモニター重量を調べる
    アームの耐荷重上限だけでなく下限にも入るかを見ます。曲面モニターは、曲面用の目安や取り付け面の注意を優先します。

  3. 机の取り付け場所を測る
    天板厚、裏側の平らな奥行と幅、幕板や引き出しとの距離を測ります。グロメット式なら穴径も必要です。

  4. 固定方式を決める
    加工しないならクランプ、対応する穴を使うならグロメット、机へ付けられないならスタンドや支柱固定を検討します。壁面は施工条件を確認し、専門業者へ相談する前提で考えます。

  5. 動かす方向と頻度を決める
    高さを頻繁に変えるか、水平方向が中心か、縦回転が必要かを決めます。ガス式かメカニカル式かは、この用途と可動範囲を見て選びます。

  6. 画面数と周囲の空間を確認する
    2画面なら重量の数え方を確認し、モニター同士、壁、棚、机との干渉を製品寸法図で見ます。

  7. 付属ボルトと必要工具を説明書で確認する
    穴間隔が同じでも、ボルト径と長さは機種ごとに違います。取り付け後の保持力調整、増し締めに使う工具も先に用意します。

この順番なら、デザインや可動性を比べた後で「机に付かなかった」と気づく流れを避けやすくなります。候補を表にするときは、VESA、重量範囲、天板条件を左側へ置き、条件を満たした機種だけで可動性を比べます。

暖色の照明の下、キーボードとヘッドホンが置かれたデスク

よくある誤解

「耐荷重10kgなら、10kg以下は全部使える」ではない

下限が2kgや8kgに設定された機種があります。軽すぎるモニターではスプリングとの釣り合いを取りにくく、メーカーが使用対象外としている場合があります。上限と下限を一組で読みます。

「VESA 75×75mmなら、そのまま固定できる」ではない

穴間隔のほかに、ネジ径、ネジ長、プレート形状、背面の凹凸、モニター重量を照合します。同じメーカーのアームでも付属ボルトが異なるため、余った別製品のボルトを前提にしないことが大切です。

「対応インチが同じなら互換性も同じ」ではない

インチ表記は画面サイズの目安です。取り付けでは、重量、VESA、重心、アームを動かす周囲の空間が関係します。曲面や背面形状が特殊なモニターでは、インチが範囲内でも別の制約があります。

「机が傷つかなければ天板条件は問題ない」ではない

見るべきなのは表面の傷だけではありません。クランプが掛かる面積、天板の強度、歪みやたわみ、幕板との干渉も確認します。補強プレートは負荷を分散する部品ですが、製品が求める設置条件の代わりにはなりません。

よくある質問

モニターアームは何kgのものを選べばよいですか

モニターのスタンドを外した重量が、アームの耐荷重下限以上・上限以下に入る機種を選びます。曲面モニターでは別の耐荷重目安が示される場合があるため、通常の上限だけで決めません。

クランプ式とグロメット式はどちらを選べばよいですか

天板へ穴を開けず、縁を上下から挟めるならクランプ式が候補です。対応する穴があり、机の背面側にクランプを回す空間が少ないならグロメット式を検討します。どちらも天板厚、取り付け面積、穴径などの条件確認が必要です。

VESA 75×75mm対応なら、モニターアームへ取り付けられますか

穴間隔が一致するだけでは足りません。モニターとアーム双方の説明書で、ボルト径・長さ、プレート形状、耐荷重、背面の凹凸を照合してください。モバイルモニターなど軽い機種では、アームの耐荷重下限も確認します。

軽いモニターほど、どのアームにも合わせやすいですか

軽ければ上限には収まりやすい一方、下限を下回る場合があります。グリーンハウス GH-AMDV1-BKは2kg未満を使用対象外としています。軽さだけで互換性は決まりません。

ガススプリング式とメカニカルスプリング式のどちらがよいですか

位置を頻繁に動かすなら、ガス圧で軽く動かせる機種が候補です。高さを固定し、水平方向の調整が中心なら、メカニカル式を含めて可動域と設置寸法で比べます。どちらもモニター重量に合わせた保持力調整の手順を確認してください。

まとめ

モニターアームの選び方で確認する違いは、固定方式、可動方式、VESA、耐荷重の上下限、天板条件、画面数の6点です。

対応インチや耐荷重上限は分かりやすい数字ですが、それだけでは選べません。モニターと机の条件を先に測り、取り付け可能な候補だけで可動方式を比べると、用途に合うモニターアームを絞れます。