モニターアームのVESA規格|選び方は5点

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モニターアームを探すと、仕様欄に「VESA 75×75mm」「100×100mm」「MIS-D」などの表記が並びます。穴の間隔が同じなら取り付けられるように見えますが、実際にはネジの径と長さ、モニターの重量、背面の凹凸、VESA穴の位置まで確認が必要です。

また、「VESA規格」と一括りにされる情報にも出典の違いがあります。VESA公式が無料公開する概要文書には画面サイズと重量による区分が載る一方、75×75mmやM4といった数値は公開概要には載っていません。この記事では、2026年8月24日に確認したVESA公式とメーカー公式の情報を分けて使い、モニターアームのVESA規格を選ぶ手順を整理します。

結論:VESA規格で見る違いは5点だけ

確認する違いは、穴間隔、ネジの径と長さ、耐荷重、取り付け面の形状と穴位置、アダプターの要否の5点です。モニターとアームの穴間隔だけを合わせるのではなく、この5点を双方の仕様書と取扱説明書で照合します。

VESAマウント規格とは、ディスプレイ背面の取り付けインターフェースについて定めた規格です。一般的なPCモニターでは75×75mmと100×100mmをよく見ますが、VESAには小型画面向けのMIS-B・MIS-Cから、大型画面向けのMIS-E・MIS-Fまで複数の区分があります。

選ぶ順番は、モニター背面の穴間隔を測る→スタンドを外した重量を調べる→指定ネジを確認する→背面形状と穴位置を見る→アーム側の対応範囲を照合するです。机への固定条件や可動方式まで含む全体の流れは、固定方式から整理したモニターアームの選び方で確認できます。

違いを一覧で見る

確認する点仕様欄で見る表記合わないと起こること
穴間隔75×75mm、100×100mm、200×100mmなどプレートとモニターのネジ穴が重ならない
ネジM4×10mm、M4×14mm、M5×12mmなど径が合わない、短くて届かない、長すぎて締め切れない
耐荷重2〜10kg、8〜20kg、最大10kg・最小2.2kgなど重すぎるだけでなく、軽すぎても対応範囲外になる
背面形状・穴位置平面、くぼみ、曲面、中央配置、偏りプレートが密着しない、重心が偏って傾く場合がある
アダプターVESA穴なし用、異なる穴間隔への変換アダプター自体の対応サイズ・耐荷重が追加条件になる

出典:VESA「Mounting Standard」VESA「FDMI Overview」エルゴトロン「VESA規格について」サンワサプライ「VESA規格とは」(いずれも2026年8月24日確認)。

この5点は独立しているようで、実際にはつながっています。たとえば75×75mmの穴が一致しても、モニターがアームの耐荷重下限より軽ければ対象外です。重量が範囲内でも、背面のくぼみにプレートが入らなければ、指定ネジをそのまま使えない場合があります。

1. 穴間隔は縦と横をセットで確認する

サンワサプライはVESA規格を、液晶ディスプレイやテレビを壁掛け金具、アーム、スタンドなどへ取り付ける際に使うネジ穴の間隔について定めた国際標準規格と説明しています。「100×100mm」は、隣り合う取り付け穴の縦と横の間隔を示します。

PCモニター用アームで多いのは、75×75mmと100×100mmです。現行機では、サンワサプライ CR-LA1301BKN2、サンワサプライ CR-LA1901、エレコム DPA-SL08BK、グリーンハウス GH-AMDV1-BK、アーキサイト AS-MABS01が両方に対応します。一方、Dell MDA20の公式仕様は100×100mmで、75×75mmの記載はありません。

メーカー・型番公式の対応VESA耐荷重の表記固定方式
サンワサプライ CR-LA1301BKN275×75、100×1002〜10kg。湾曲は約7kgスリムクランプ/グロメット
サンワサプライ CR-LA190175×75、100×100mm2〜9kg。湾曲は約6kgクランプ/グロメット
エレコム DPA-SL08BK75×75mm、100×100mm約2〜約20kgクランプ/グロメット
グリーンハウス GH-AMDV1-BK100mm/75mm2〜10kg。2kg未満は使用不可Cクランプ/グロメット
アーキサイト AS-MABS0175×75mm、100×100mm2〜8kgクランプ/グロメット
Dell MDA20100×100mm最大10kg/最小2.2kgデスク取り付け

出典:サンワサプライ CR-LA1301BKN2製品ページサンワサプライ CR-LA1901製品ページエレコム DPA-SL08BK製品ページグリーンハウス GH-AMDV1-BK製品ページアーキサイト AS-MABS01製品ページDell MDA20製品ページ(いずれも2026年8月24日確認)。

同じ「モニターアーム」でも、すべてが75×75mmと100×100mmの両対応ではありません。候補を探す前に、モニターの製品ページか取扱説明書で穴間隔を確認すると、対応しないアームを早い段階で外せます。

オレンジと緑の光を受けて並ぶ、六角穴付きボルト数本

2. MIS-Dは75×75mm・100×100mmだけを意味しない

エルゴトロンの公式解説では、一般的なPCモニターに使われるFDMI MIS-Dを、75×75mmまたは100×100mm、M4×10mm、14kg以下と整理しています。MIS-Dは穴間隔の呼び名だけではなく、ネジや重量も含む区分として読む必要があります。

VESA区分対象画面サイズ重量上限ホールパターン・ネジ
MIS-B4〜7.9インチ2kg50×20mm/M4×6mm
MIS-C8〜11.9インチ4.5kg75×35mm/M4×8mm
MIS-D12〜22.9インチ14kg75×75mmまたは100×100mm/M4×10mm
MIS-E23〜30.9インチ22.7kg200×100mm/M4×10mm
MIS-F31〜90インチ113.6kg200mm間隔/M6またはM8

出典:VESA「FDMI Overview」エルゴトロン「VESA規格について」(いずれも2026年8月24日確認)。画面サイズと重量はVESA公式の公開概要、ホールパターンとネジはエルゴトロン公式解説に基づきます。MIS-Eの重量上限はVESA公式の50 lbs.に対応する22.7kgを採用しています。

ここで出典を分ける理由は、VESA公式の無料文書「FDMI Overview」に75×75mm、100×100mm、M4といった数値が書かれていないためです。同文書で無料公開されているのは、Part B〜Fの対象画面サイズ、重量上限、4穴・6穴・複数穴といった概要です。穴ピッチとネジの詳細は本標準側を参照する構成になっています。

したがって、「VESA公式の無料文書によればMIS-DはM4×10mm」と一つの資料だけから説明することはできません。画面サイズと重量の区分はVESA公式、75×75mmやM4×10mmはメーカー公式解説というように、数値の出所を分けて確認します。

山積みになった六角ボルトとナットのクローズアップ

3. 付属ネジはMIS-Dの表どおりとは限らない

MIS-Dの解説にM4×10mmとあっても、現行アームの付属ボルトは機種ごとに異なります。サンワサプライ CR-LA1301BKN2はM4×14を4個、サンワサプライ CR-LA353はM4×10を4個付属します。サンワサプライ CR-LA1901はM4×12、M5×12、M5ワッシャーを各4個です。

アーキサイト AS-MABS01はM4×12、M4×16、M5×12、M5×16と大小のワッシャーを同梱し、複数の長さと径を用意しています。グリーンハウス GH-AMCA01、GH-AMCA02、GH-AMCA03は、製造ロット番号によってディスプレイ取り付け用ネジの同梱内容が異なると案内しています。同じ型番でも、手元の製品に入っている部品を説明書で確認する必要があります。

出典:サンワサプライ CR-LA1301BKN2製品ページサンワサプライ CR-LA353製品ページサンワサプライ CR-LA1901製品ページアーキサイト AS-MABS01製品ページグリーンハウス GH-AMCA03製品ページ(いずれも2026年8月24日確認)。

ネジは「M4なら同じ」ではありません。M4は径を示し、後ろの10、12、14、16などは長さに関わります。モニター背面が平らか、VESA穴がくぼみの中にあるか、スペーサーやワッシャーを使うかでも必要な長さは変わります。モニター側が指定するネジと、アーム側に付属するネジの両方を確認し、合わない場合はメーカーが案内する方法に従います。

石畳の上に並べられた、色とりどりの六角レンチセット

4. VESAが合っても耐荷重の上下限が合わない場合がある

VESA 75×75mmまたは100×100mmに対応するアームでも、支えられる重量は同じではありません。サンワサプライ CR-LA1301BKN2は2〜10kg、サンワサプライ CR-LA1304Wは8〜20kg、エレコム DPA-SL08BKは約2〜約20kgです。高耐荷重機だから軽いモニターにも広く使えるとは限らず、CR-LA1304Wでは8kg未満が範囲外です。

グリーンハウス GH-AMDV1-BKは2〜10kgとし、「2kg未満の液晶モニターは使用できません」と明記しています。Dell MDA20も最大ロード重量10kgとは別に、最小荷重2.2kgという項目を設けています。アームの保持力とモニター重量が釣り合う範囲を見るため、上限と下限を一組で読みます。

湾曲モニターには別条件が示されることもあります。CR-LA1301BKN2は通常2〜10kgに対して湾曲時は約7kg、CR-LA1901は通常2〜9kgに対して約6kg、CR-LA1304Wは通常8〜20kgに対して約14kgです。耐荷重を上限近くで選ぶときの確認点は、モニターアームの耐荷重をギリギリにしないための見方と、耐荷重10kg機を上下限から比べた記事で整理しています。

出典:サンワサプライ CR-LA1301BKN2製品ページサンワサプライ CR-LA1901製品ページサンワサプライ CR-LA1304W製品ページエレコム DPA-SL08BK製品ページグリーンハウス GH-AMDV1-BK製品ページDell MDA20製品ページ(いずれも2026年8月24日確認)。

5. 背面が曲面・くぼみ・偏心なら穴間隔以外も見る

アーキサイトは、曲面モニターなどVESAの取り付け面が平らでないモニターは使用できないことがあると案内しています。さらに、VESA穴がモニター中央か、バランスの取れた位置にあることを確認し、重量が一方向へ偏ると使用時に重い側へ傾く可能性があると説明しています。

エルゴトロンも、ホールパターンが背面中央にあるとマウントにかかるトルクを抑えやすいと説明しています。穴の間隔が一致していても、穴が大きく偏っている、取り付け面が湾曲している、くぼみへプレートが収まらない場合は、重量のかかり方や固定方法が変わります。

出典:アーキサイト AS-MABS01製品ページエルゴトロン「VESA規格について」(いずれも2026年8月24日確認)。

黒い背景に置かれた、クロームメッキのソケットレンチ3本

それぞれが向いている場面

VESA規格は、手元のモニターに合うアームを絞るために使います。場面ごとに優先する条件は次のように変わります。

75×75mm・100×100mmの平面モニター

背面が平らで、穴が中央付近にあり、重量がアームの上下限に入るなら、MIS-D対応製品から探しやすい条件です。サンワサプライ CR-LA1301BKN2、エレコム DPA-SL08BK、グリーンハウス GH-AMDV1-BK、アーキサイト AS-MABS01は75×75mmと100×100mmの両方に対応します。ただし、天板へ固定できるかは別に確認します。

VESA穴がないモニター

VESA穴がなければ対応アダプターを確認します。サンワサプライ CR-LAVESADP1は、VESA穴のないモニター用のホルダーで、32型まで、耐荷重10kgまでです。アダプターとアーム双方の対応範囲を満たす必要があります。

出典:サンワサプライ CR-LAVESADP1製品ページ(2026年8月24日確認)。

曲面・大型・2画面のモニター

曲面モニターは、湾曲時の耐荷重と取り付け面が平らかを先に見ます。大型モニターではMIS-E・MIS-Fやメーカー独自の穴配置も確認します。対応インチは目安に留め、重量、穴間隔、ネジ、背面形状を優先します。

2画面用では耐荷重が各画面か合計かを読み分けます。アーキサイト AS-MABH03は8kgまでを2台合計で示し、Dell MDA20は2画面向けで100×100mmに対応します。デュアルモニターアームのデメリットを選ぶ前に確認する記事で、画面同士や壁との干渉も確認してください。

出典:アーキサイト AS-MABH03製品ページDell MDA20製品ページ(いずれも2026年8月24日確認)。

木目の板の上に並ぶ、オレンジと黒の柄のドライバー3本

選ぶときに見る順番

VESA対応の表示を見つけたら、次の順番でモニター側とアーム側を照合します。最初から可動域や外観を比べるより、取り付けに必要な条件を先に確認できます。

  1. モニターの製品ページと説明書を開く
    VESA対応の有無、穴間隔、指定ネジ、スタンドを外した本体重量を確認します。販売ページの商品名だけでなく、型番が一致するメーカー公式資料を使います。

  2. 背面を確認する
    4つの穴が中央付近にあるか、くぼみの中にあるか、取り付け面が平らかを見ます。カバーやスタンド部品を外した後に穴が現れる機種では、メーカーの手順に従います。

  3. アームの穴間隔を合わせる
    75×75mm、100×100mmなど、モニターとアーム双方に同じ表記があるか確認します。変換プレートを使う場合は、変換前後の穴間隔を分けて見ます。

  4. 耐荷重の下限と上限へ重量を入れる
    スタンドを外したモニター重量が範囲内かを確認します。曲面モニターでは、通常とは別の耐荷重目安がないかも見ます。2画面用では各画面か合計かを読み分けます。

  5. 指定ネジと付属ネジを照合する
    M4、M5などの径と、10mm、12mm、14mm、16mmなどの長さを確認します。ワッシャーやスペーサーの使用も説明書に合わせます。

  6. 机への固定条件を測る
    クランプなら天板厚、取り付け面の奥行と幅、幕板や引き出しとの干渉を確認します。グロメットなら天板厚と穴径を測ります。VESAが合っても、机側の条件が外れれば設置できません。

  7. 取り付け後の調整手順を読む
    スプリングやガス圧の強さはモニター重量に合わせて調整する機種があります。ガス式とメカニカル式の支え方や調整方法の違いは、ガススプリング式とメカニカルスプリング式を比べた記事で確認できます。

  8. 購入直前に型番と最新版の資料を再確認する
    付属ネジが製造ロットで変わる例もあるため、候補機の型番、同梱品、対応モニター情報を最新の公式ページで確認します。

この手順で残った候補について、最後に可動方向、アーム長、配線、設置後の高さを比べます。レビューを読む場合も、「VESAが合わなかった」「軽くて上がる」といった記述を製品共通の欠点と決めず、低評価レビューを用途違いと仕様へ分ける読み方で、自分のモニターと机にも当てはまる条件かを確認します。

黒いケースに収められた精密ドライバーセットのクローズアップ

よくある誤解

「VESA対応」と書いてあればどのアームにも付く

VESA対応には複数の穴間隔があります。75×75mmだけ、100×100mmだけ、両対応など製品ごとに異なり、ネジ、重量、背面形状も別条件です。「VESA対応」という言葉だけでなく、数値まで一致させます。

75×75mmと100×100mmならネジも共通

サンワサプライの現行機だけを見ても、CR-LA1301BKN2はM4×14、CR-LA353はM4×10、CR-LA1901はM4×12とM5×12を付属します。穴間隔が同じでも、同梱されるネジの径と長さは同じではありません。

対応インチ内ならVESAと耐荷重も合う

対応インチは一般的なモニターサイズの目安です。サンワサプライは、取り付けではディスプレイ重量と耐荷重を基準に選ぶよう案内しています。同じ画面サイズでも重量や背面形状が違うため、インチだけでは取り付け可否を判断できません。

高耐荷重アームなら軽いモニターにも使える

サンワサプライ CR-LA1304Wは8〜20kgで、軽いモニターは下限を外れます。エレコム DPA-SL08BKは約2〜約20kgで、同じ上限20kgでも対応する軽い側が違います。耐荷重は上限だけでなく範囲で読みます。

よくある質問

モニターアームのVESA 75×75mmと100×100mmは何が違いますか

モニター背面にある取り付け穴の縦横の間隔が違います。75×75mmは縦75mm・横75mm、100×100mmは縦100mm・横100mmです。アーム側が両対応でも、モニター側の穴間隔、ネジ、重量、背面形状を合わせて確認します。

VESA MIS-D対応ならM4ネジをそのまま使えますか

MIS-Dのメーカー公式解説ではM4×10mmと整理されていますが、現行アームの付属ネジはM4×10、M4×12、M4×14、M4×16など機種ごとに違います。モニター側の指定とアームの説明書を照合し、径だけでなく長さも確認してください。

VESA 100×100mm対応のモニターならどの100×100mmアームにも付きますか

穴間隔の条件は一致しますが、それだけでは足りません。モニター重量が耐荷重の上下限に入ること、プレートが背面へ密着できること、指定ネジが合うこと、机へ固定できることが必要です。

VESA穴がモニター背面の中央にない場合も取り付けられますか

製品ごとの確認が必要です。アーキサイトは、VESA穴が中央またはバランスの取れた位置にあるモニターを取り付けるよう案内し、重量が偏ると重い側へ傾く可能性があると説明しています。穴位置だけでなく重心もメーカーへ確認してください。

曲面モニターはVESAが合えば取り付けられますか

VESAの穴間隔が一致しても、取り付け面が平らでないため使用できない場合があります。サンワサプライのように湾曲モニター時の耐荷重目安を別に示すメーカーもあるため、通常の耐荷重、湾曲時の条件、背面形状を確認します。

まとめ

モニターアームのVESA規格で確認する違いは、穴間隔、ネジの径と長さ、耐荷重、取り付け面の形状と穴位置、アダプターの要否の5点です。

VESA公式の無料文書とメーカー公式解説は、掲載している数値の範囲が異なります。画面サイズと重量による区分、穴間隔、ネジ、個別製品の付属品を一つの情報源だけで済ませず、それぞれの公式資料で確認することが大切です。

購入前は、モニターの型番から穴間隔と指定ネジを調べ、スタンドを外した重量と背面形状を確認します。その後でアームの対応VESA、耐荷重の上下限、付属ネジ、机への固定条件を照合すれば、VESAという一つの表示だけで候補を決める行き違いを減らせます。